出発までの時間でラバトの街へ。アフリカとアラブの混じり合う、魅力的な雰囲気でした。
宮崎と緯度が近く、フェニックス、ブーゲンビリア、ジャカランダ、ダチュラといった日南海岸でなじみの花々が。空も抜けるように青く、清潔感にあふれる街並み。人柄も穏やかで、地中海気候の大らかさを感じました。
今回は首都のラバトだけでマラケシュにもカサブランカにも行けなかったので、またいつかゆっくり来てみたいと思います。
これから2度目のパリへ。そこからロンドンに。そしてナイジェリアのアブジャに向かいます。
パリからロンドンを経由して、ナイジェリアの首都のアブジャへ。中途半端な夜行便で現地は朝の4時過ぎ。真っ暗です。
昨日は憲法記念日でした。憲法のあり方を考えるべき日でありますが、今日の安倍総理の「公開憲法フォーラム」での挨拶は、安倍総理のお考えの深さを感じるとともに、私たち宏池会としては、新たな立ち位置を改めて思料する必要性を実感しました。
安倍総理はこの中で「9条1項、2項を残しつつ自衛隊を明文に書き込むという考え方、これは、国民的な議論に値するのだろう、と思います。」と述べています。
これは連立与党の公明党の主張して来た「加憲」の考え方といえますが、私たち宏池会も一昨年の河口湖での夏期セミナーで岸田会長が「この憲法を愛する」と述べております。まさにこの9条1項、2項の維持はそれらと軌を一にするものと考えます。
憲法の議論は国民の皆様の広範な合意は不可欠であり、普段の政治的バッテイングとは別次元での議論が必要であり、少なくともとも野党第一党である民進党の同意は必要です。
その意味で、今日の安倍総理のスピーチはその大きくウイングを広げ、憲法改正への強い思いを感じさせるものでした。
岸田会長も常に現実を見つめるというお話をされます。憲法は変えることが目的でも、変えないことが目的でもありません。
押し付け憲法だから変えねば、という意見もありますが、70年現行憲法下でわが国は発展して来ました。気持ちは分からなくはないですが、もはや生い立ちを以て是非を論じるのは、あまり生産的とはいえないと私は思います。
憲法は国民主権のわが国において、国民の皆様が私達立法府のあり方を規定するものであり、繰り返しになりますが、広範な納得感を得ることが必要です。
その意味では自衛隊への国民の皆様の高い支持と信頼、そして現行の9条への賛否が拮抗する現状を考えれば、この総理の述べられた"落としどころ"はこれ以上はないものだと感じます。
安倍政権が5年を超える長期政権で、なお以て国民の皆様から高い支持率を得ているのは、このような竹のような"しなやかさ"があるからだろうと思います。
安倍総理は就任当初は右翼的だなどといわれることもありましたが、実際の政策判断、政治判断は極めて現実的です。
今回の憲法改正についての発言も、いわゆる産経新聞的な立場を支持する方々からすれば意見もあるところでしょう。しかし、それは現在の政治的な力、過去の政治的立ち位置からみても安倍総理の発言なればこそ、"収められる"ものなのだろうと思います。
逆も然りです。「日米同盟」という言葉の初出は当時もリベラルとして知られたわが宏池会の大平正芳総理でした。
いわば振り子の反対側から力を加えればこそ、収まるところに収まる。まさに政治の力学です。安倍総理の深い思慮をみた気が致します。
これを機に、イデオロギーを超えた、国民広範に納得感のある議論が進むことを願います。その上で、私たち宏池会はそれを踏まえた上で憲法にどう向き合うか、また仲間の皆さんの議論を深めて参りたいと思います。