2017年03月27日

3月27日

旅行会社「てるみくらぶ」の経営破たんの件について関係者と意見交換。事情は報道程度の内容しか把握しておりませんので、論評は避けますが、私も同業他社の過去の同種の倒産など何度も経験したことを踏まえますと、返金額などは相当厳しいものになろうかと思います。
そもそも旅行業は基本的に代理業であり、倒産しますと同業者への売掛など以外は、資産がほとんどありません。(よく「旅行会社は飛んだら(倒産のこと)残るのは椅子と机」などと言われます。)
もちろん日本旅行業協会(JATA)の会員でありますので、一定の保険はありますが弁済限度額は1億2千万円であり、報道では被害額は100億円を超えるとのことで、供託金から鑑みてもやはり厳しいものになろうかと思います。(報道の通りであれば1%前後しか還らないこともあり得ると私は思います)
基本的にはここまで至る経緯の中で、航空会社などへの支払い不能による発券拒否やシステムの使用停止などがあったと考えるのが妥当です。
その上で、近日まで「現金一括支払い割引」などのキャンペーンを行っていたことなどを考えますと、経営が苦しく旅行の円滑な実施が相当厳しいことは認識があったのではないかと考えますし、これらは法的な処理と責任の明確化が図られていくと思います。
私が懸念するのは、昨今規制緩和や地方創生の議論の中で主催旅行を供託金の少ない3種旅行会社などでも拡大しようという議論が進んでいることです。私は会議のたびに主催旅行の拡大は慎重にすべきだと主張していますが、主催旅行は一度に多くの金額を集めることにもなります。モラルや意識また経済力の低い事業者の参入はこのような事案の誘発することにもつながりかねません。
旅行は夢と思い出のみならず人生の大事なシーンを預かる仕事です。厳しい日程の中、シフト勤務を調整しやっと時間をつくった、大きな節目の行事であることもあります。以前友人でお母さんが病重く、家族での最後の思い出にと企画した旅行が会社の倒産でかなわなかったという方とお話ししたことがありました。本当に罪深いことだとともに涙したのを憶えています。
規制緩和を行うのであれば、その一方で旅行会社の財務状況にある程度客観的な指標を設け、それを利用者が購入の参考にする基準などできないのか、また勉強会など進めて参ります。


今日も公務、政務の引き続く1日でした。いつもお世話になっているデービットアトキンソンさんに外務省にお越し頂き、外務省の発信内容の英語表記について様々な発信の担当者と意見交換。
TPOに応じて、直訳のみではなく様々な受け手をイメージしながら伝える重要性などをお話し頂きました。お忙しい中、感謝申し上げます。
posted by たけい俊輔 at 00:00 | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする