今週はいわゆる民泊法案の審議が大きな山場を迎えました。私が事務局長をしていた観光の基盤強化を図る小委員会で初めてこの問題を党で取り上げて以来、今まで相当程度の時間をこの問題に費やして参りましたし、旅館の団体である全旅連の皆さんの思いを伺いながらここまでやって来ました。
肝心の会議も公務もあり最後まで出られないこともあるのですが、観光庁や幹部の先生をはじめとする関係者との皆さんの緊密な連絡、マスコミへの説明なども地道に続けております。
お世話になっている中根国交部会長にご尽力頂いておりますが、観光庁の説明もまだまだ疑問点を充分クリアしたものとはいえず、またここに来て推進のちんたい議連のみならずIT関係の先生方が仲介するプラットフォーム(airbnbなど)を観光庁が認証する仕組みへの疑問を呈され反対を宣言されるなど混乱状態になっております。
当該案件については、そもそもairbnbが違法民泊の批判に何ら顧みることなくスタートさせたことからであることを踏まえても観光庁として認証、規制するのは当然のことでありますが、それ以外に私が最終的に課題と考えるべき点は下記です。
1.180泊をどのように捕捉できるか。すなわち泊数という今までにない概念を持ち出した以上、その物件が179泊目なのか181泊目なのか、誰が把握理解できるのか。実際は通年営業を阻止することは相当難しいと私は考えます。目に見える形で規制できるのか。様々な説明を受けますが、未だに納得に至りません。
2.条例でどこまで規制できるか。法律案では地方自治体が条例を定めることで地域によっては制限をかけることができることになっています。しかしその可能な範囲が生活環境の悪化など抽象的です。例えば宮崎市は市域全域ゼロにするなどの権限が与えられるのか。その範囲が不明確であること。また、条例制定は県と保健所設置市のみか、全市町村に認められるのか。
その上で最も観光庁に申し上げているのは、日本の旅館業をどうしたいのか、ということです。
旅館業界からは特に小規模のところでこのままいけば「旅館業を返上して民泊業になる」という声も多く聞きます。
固定資産税も6分の1、立地規制や衛生の義務も緩いとあってはその選択が意識されるのは当然です。
明治時代以来、生活衛生の枠組みの中で、国とともに時代の変遷をともに歩んできた旅館業界。耐震の負担に耐えられず廃業した方も少なくありません。そのような中でも国とともに歩んで来た業界の皆さんです。私は旅館業こそが、これからも観光、おもてなしの中心にあるべきだと思っています。
国として、今後どのようにともに歩んで来た皆さんを位置づけ、向き合っていくのか。
政治は正直に歩んで来た人たちが報われるものでなければなりません。
飛行機の窓から見える空は雲に覆われていますが、遠くには一筋の光が見えます。
この民泊法案の出口において、そのような思いが共有できるよう、この空のような希望の光が持てるものであれるよう、最後まで全力を尽くして参りたいと思います。