2016年05月04日

5月4日

憲法記念日、憲法について最も深く考えるべき日でありました。
憲法記念日には毎年各党談話を発表しますが、今年は選挙も意識してか野党側は攻撃的なコメントが目立つ印象を受けます。
わが自民党にとっては改憲は党是ですし、時代に合わないものは改憲すべきなことは多くの皆様の理解を得られると信じています。
しかし私は「改憲に理解ある勢力で参院で3分の2を獲得し〜」というマスコミや一部の保守系論壇の論調には違和感を感じています。
憲法は国の最高法規であり、どう考えても与党で強行採決するような性格のものでありません。
未来永劫一言一句変えないという姿勢の共産党はともかく、野党第一党の民進党の理解と賛成を得られるものでなければならないのは当然のことであると思います。
国民の皆様は高いバランス感覚をお持ちです。それは昨夏の戦後70年談話や年末の日韓外相会談における従軍慰安婦問題への対応などを踏まえた後の内閣支持率が上昇したことなどを鑑みても明らかです。
このような中、あたかも与党と改憲勢力が参院選で勝てば、いよいよ走り出す、的な論調には"おどろおどろしい"ものを感じますし、それはこの傾向をみても広範な国民の支持を得るものは思えません。
繰り返しますが、国民の皆様は高いバランス感覚をお持ちですし、特に参議院選挙はそのような視点が反映されやすい傾向があります。
「さぁ、夏の参院選で勝って憲法改正だ!」と気勢あげる方々の鼻息は、結果として改憲への道のりを遠ざけることになるのではないかと私は思います。
政治は巨大な客船を他の船や浅瀬に注意しながら東京湾から太平洋に出していくようなものです。
干潮のタイミングをみて何とか横浜ベイブリッジをくぐり、浅瀬に気をつけ、小さなヨットなどにも注意を払い、海上保安庁の観音崎からの指令をよく聞き、そして何とか海原に出て行く、そのような丁寧さと慎重さが必要です。
私はよく主張しますが、人間は元来保守的性向であり、大部分の国民の皆様は昨日と同じ明日が来ることに喜びを感じる穏当かつ実直な方々です。
すなわち憲法改正の主張にしても、それは歯止めを明確にしたものでなければなりませんし、自民党の憲法改正草案は、現行憲法下で平和安全法制が成立したことを以ってして、前提は変わったと考えるべきです。
その意味でも、憲法改正は時代の変化に応じ必要であるものの、民進党などの賛成も得られるものであるべきだ、ということをわが党としても明確に示す、そのような国民の皆様に安心感を持って議論を進める環境づくりがいま求められていると私は思っております。
これからの議論、また参議院選挙についてもそのような思いで臨んで参りたいと思っております。
posted by たけい俊輔 at 00:00 | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする